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読書日記「十二単を着た悪魔 源氏物語異聞」

こんにちは、心子です。

「十二単を着た悪魔 源氏物語異聞」 面白い作品でした! 
映画の世界にのめり込んだ気分になれて、楽しかったぁ~
読み進めば進むほど惹かれる内舘ワールド満載、さすがでございます。

内館牧子・著「十二単を着た悪魔 源氏物語異聞」を、図書館で借りました。
予約し、順番が来たので図書館へ受け取りに行くと、なんとそれは527ページの”文庫本”でした。
久々に手にした、どっしりした感触の文庫本、悪くありません、むしろ好みです。

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<あらすじ>
主人公は、59もの会社から内定が出ぬまま大学を卒業した二流男の伊藤 雷(らい)。それに比べると、雷の弟・水(すい)は、頭脳も容姿も超一流。その水の京都大学合格祝の晩の帰宅途中で、雷は突然に「源氏物語」の世界へトリップしてしまう。たまたまその日の派遣の仕事で手にしてた「源氏物語」のあらすじ本を武器にして、雷は弘徽殿女御のパーソナル陰陽師「雷鳴」となる。そこで自分と同じように、弟・光源氏にコンプレックスを持つ第一皇子側に身を寄せ、弘徽殿女御の人間的魅力(淋しさ・哀しさ・強さ)に驚かされながら、雷自身も成長してゆく。
そして、現実世界に戻った雷は、自分の進むべき道を見つけるのである。


<感想>
歴史や国語のテストで点数を稼ぐために覚えたのは、「源氏物語」=作者・紫式部 そこまででした。
登場人物に女にモテモテの光源氏がいることくらいは、ついでに覚えましたが、平安時代の長編小説は、遙か彼方の世界でした。この「十二単を着た悪魔」を読むことで、源氏物語がすっかり身近な物語に感じられました。
光源氏は、自分の父親の後妻を寝取り、藤壺は光の子を帝の子と偽って育てる。それだけでなく、光の兄の女御までも寝取ります。そんな彼のことを著者(正確には、語り部である雷、あるいは弘徽殿女御)は、どこかのゴルファーのような○○依存症だとか、ストーカー男だとかこき下ろします。そして、光に関わる女君達のことも、男はあんな何もできない女を好むとか、バカな女とまでこき下ろします。
物語の進捗中に人々の心の内をちりばめて描き、気付かぬうちに納得し、読み進み、いつの間にか、雷を応援しつつ、強気でたくましい弘徽殿女御のファンになっている自分に気がついたのです。見事なエンターテインメント大作!
読書の秋を、素敵な一冊から始められました。

この作品を紹介してくださった窓辺 夢さま、ありがとうございました。(^_^)







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Secre

No title

内館牧子さんの作品は大好きで、殆ど読破していますが、「十二単を着た悪魔 源氏物語異聞」は
図書館になかったです。誰か借りているのかも知れませんね。
元々読書が好きですが、コロナ以来 月に10冊くらい借りてくるようになりました。
だも、余りに夢中になると肩が凝り目がショボショボして辛いです。
運動不足も然りで~す。

こんにちは

気に入って頂きとっても嬉しいです。
ワタシもこの本を読んでから弘徽殿の女御が大好きになりました。
こんな女性が現代に生きていたらきっと日本を代表する人物になっていたのでは?などと思いました。

読破

527ページ!!
引き込まれて ” 読破 ” したのでしょう。

本の魅力ですね。

学生時代に読んだ記憶の源氏物語、
” とんでも無い奴 ” の印象でした。

気が付けば、どんな時代でも男と女、
最近はもう少しややこしいのでしょうが、
本の中に身を置いて、、暫しのトリップも楽しいでしょうね。

Re: No title

こんにちは、koyukoさん♪^^

内館牧子さんの作品は、切れ味が良くて面白く、私も大好きです。
コロナ禍の時、図書館の滞在時間が限られ、ゆっくり本を探すことや館内で読むことができませんでした。
以来、私は図書館にネット登録して、本を探したり、読みたい本の予約をしたりしてます。
便利で早いのですが、本当は図書館内をブラブラしながら色んな本を手に取って探す方が好きです。
コロナ解除になった現在は、館内のあちこちに元のように椅子が置かれ、疲れると立ち読みならぬ座り読み(笑)してます。
月に10冊はすごいです。
本が道眠剤のようで読み始めるとウトウト(^◇^;) 私は月に数冊がやっとです。

Re: こんにちは

こんにちは、窓辺 夢 さん♪^^

弘徽殿女御の一言、一言が直球過ぎて感心しきり、もう大ファンになりました。
内館牧子さんは、源氏物語の中で弘徽殿女御のことがお気に入りだったのでしょうね。
主人公の雷も自分の行くべき道を見つけて、読後感は母親のような気持ちでした。
あとがきに書かれてたのですが、映画「プラダを着た悪魔」を少し参考にされたようです。
メリルストリープと弘徽殿女御、どちらも女性のリーダーのイメージ満載ですね。^^

Re: 読破

こんにちは、マーニさん♪^^

源氏物語を読んだことがあるのですね。
私はこの本に出会うまで、正直あまり興味がありませんでした。
私の中の平安時代の主人公は、平清盛くらいかなぁ~

源氏物語は、どうやら男女問題を中心に人間くさい物語であると、今回知ったので、機会があれば一度きちんと読んでみたくなりました。多くの女御、女君の名前を覚えられるかな。
それにしても、光源氏は”とんでもない奴”なんですね~ 笑

No title

まとまって読めないので行ったり来たりの読書ですが、楽しくてよく読みます。

Re: No title

こんにちは、卑弥呼さま♪^^

新聞でも本でも文字を読んだり、絵を描いたり、土いじりや外出したりが、認知症予防にもなると聞いて、読書を続けています。
畑もやってみたいですが、心臓の持病があるので手を引きました。卑弥呼農園を楽しみに拝見してます。^^

No title

心子さま

はじめまして。

「源氏」オタクのばーばむらさきです。こすずめさまのブログから、こちらを訪問させていただきました。

私も昔からずっと「弘徽殿の女御って、割に合わない損な役だなあ」と思ってきたので、2012年5月に『十二単を着た悪魔 源氏物語異聞』が出た時には、内館牧子さんに拍手喝采でした。

私の幼馴染も、拙著で『十二単を着た悪魔 源氏物語異聞』のことを取り上げていたので、図書館で借りて読み、以後『源氏物語』にも興味を持ってくれるようになって、今年2月の「オペラ 源氏物語」も一緒に行きました。

6月に図書館に予約した『老害の人』、今77番目になっていました。きっと忘れたころに廻って来ますね、気長に待ちます(笑)。


Re: No title

こんにちは、ばーばむらさきさん♪^^

コメントをありがとうございます。
源氏物語のことは、学校で名称と作者を習ったくらいで、物語の内容まで読み込んだことはありませんでした。
今回の「十二単を着た悪魔 源氏物語異聞」に触れて、興味を持ちました。
登場人物の個性も、それぞれに面白そうですね。
「オペラ 源氏物語」とは! 初めて知りました。
源氏物語の幅広さにビックリです。

内館牧子氏の老人三部作?高齢者小説は、どれもお気に入りです。
終活の内側を、的確に、軽妙に書き表わしつつも、考えさせられる作品でした。
「老害の人」は、主人公が高齢男性なので、これまでの3作品とはまた違った面白さが味わえました。
楽しみを気長に待つって、素敵ですね。順番が回ってきたらきっと”ラッキ~”って思えそうです。^^

これからもよろしくお願いします。
プロフィール

心子(シンコ)

Author:心子(シンコ)
1960年生まれ、健康で真面目なふりして生きてます。子供2人を帝王切開、1992年に乳癌ステージIIbで手術&化学・放射線治療、2017年には、大動脈弁閉鎖不全症のため「自己心膜を使用した弁形成術」を受けました。戦国武将に劣らない傷痕だらけの身体が自慢(?笑)。残る人生、楽しむだけに費やしたい。

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